こんにちは、オハイオ州不動産仲介士の松本です。
アメリカでの一軒家暮らし。広いお庭を目にすると「アメリカならではの体験を子供にもさせてあげたい」と夢が膨らむ方も多いと思います。
そんな折、帰国する前任者から「大きなトランポリンや遊具を格安で譲るよ」と言われ、設置を本格的に検討される方もいらっしゃるのではないでしょうか。
しかしここで注意して頂きたい事があります。
たとえ同僚や近所の友人が裏庭に遊具を設置していても、あなたのオーナーがそれを許可するとは限りません。
もしオーナーの意向を無視して設置をした場合、どのようなリスクがあるのでしょうか。
今日はアメリカの住宅事情と法律の観点からその理由を詳しく解説します。
【第三者の怪我に対する重い責任】
アメリカには「魅惑的危険物(Attractive Nuisance)」という法概念があります。
これは子供を惹きつけるようなもの、例えばプールや遊具、トランポリンやバスケットゴールを所有している場合、例え不法侵入であっても怪我を防ぐ為の安全管理責任が所有者にあるという考え方です。
- 想定されるケース:あなたが日本に一時帰国中、近所の子供が勝手に庭に入り、トランポリンで遊んで怪我をしてしまったとします。
- 責任の所在:「勝手に入った子供が悪い」とはなりません。管理が不十分だったとして入居者だけでなく、物件の所有者であるオーナーまで連帯責任を問われるケースがあります。
【保険契約の条件】
オーナーが加入している保険(Landlord Insurance)には、遊具に関する厳しい条件がついている事が多々あります。
- 設置の禁止:そもそもトランポリンや遊具がある時点で、保険への加入が拒否されるケースがあります。
- 免責事項:仮に保険に入っていても、遊具の設置を申告していなければ事故が起きた際に保険金が支払われません。従って無断設置は厳禁です。また申告する遊具には様々な条件がついており、その条件をクリアしたものでなければ保険が適用されません。あなたが譲ってもらった遊具が必ずその条件をクリアしているとは限らず、必ず事前にオーナーへの確認が必要となります。
もし事故が起き、保険が適用されないとなればオーナーは個人で膨大な賠償金を背負うリスクにさらされます。
実際にオハイオ州の過去の裁判事例でも、遊具やプールの事故で被害者が勝訴し、多額の賠償が命じられたケースは多く存在します。
【安心した駐在生活を送るために】
「みんなやっているから大丈夫」という考えはアメリカでは危険です。
オーナーが設置を認めないのは、あなたを制限したいからではなく「あなたと自分自身を法的トラブルから守るため」です。
家を借りる際は必ず契約内容を確認し、オーナーの指示を遵守するよう心がけましょう。




