Buyout Clauseと Transfer Clauseの意味を理解する

 

こんにちは、オハイオ州不動産仲介士の松本です。

中学生や大学受験を控えるお子さんがいるご家庭では、主に春休みや現地校の夏休みの時期にご家族が先に帰国をし、ご主人が単身でオハイオに残られるケースが少なくありません。

その際に「賃貸契約は2ヶ月前に退去の通知をすればいつでも解約できるから大丈夫」と思われる方が多いのですが、実は必ずしもそうとは限りません。

契約期間中にご家族の事情で退去を検討される場合、契約書に記載されている「Buyout Clause」と「Transfer Clause」の内容をしっかりと確認し、その意味を理解しておくことが大切です。

 


 

【Buyout Clause(バイアウト条項)とは?】

契約期間の満了前に退去する場合、オーナーが入居者に課す条件や規約などを定めたもの

オハイオ州でよく目にする一般的な条項の内容は:

  • 退去希望日の60日以上前に書面で退去通知を提出
  • 家賃2ヶ月分のペナルティを支払うことで契約を終了できる

この条項は退去理由を問わず適用が可能で、家族の帰国や個人的な事情など、どのような場合でも利用できるのが特徴です。

 


 

【Transfer Clause(転勤条項)とは?】

会社からの辞令などにより転勤、異動が発生し、現在の住居に居住し続けることが不可能になった場合に適用される条項

オハイオ州でよく見られる条項の内容は:

  • 退去日の60日以上前に書面で退去通知を提出
  • ペナルティなしで契約を終了

ただしこの条項は「会社命令による転勤、転居」のみに限定されます。

例えば「お子さんの受験で家族が帰国し、ご主人のみが単身赴任になる」といった個人的な理由による退去は対象外です。

 


 

【契約時の注意ポイント】

物件を契約する際には、次の点を意識しておくことをお勧めします。

  1. ご家族の帰国やお子さんの受験時期と契約期間が重なる可能性を考慮する
  2. Buyout Clauseが契約書に含まれているかを確認し、条件の内容を正しく理解する
  3. Transfer Clauseは個人的な理由では適用されない点を理解しておく
  4. 契約期間を決める際には、これらの条項を踏まえて無理のないスケジュールを設定する

賃貸契約におけるBuyout ClauseとTransfer Clauseは、一見似ているようで適用条件が異なります。

ご家族の帰国やお子さんの進学など、ライフステージの変化があるご家庭ほど、事前に条項を確認しておくことが安心につながります。

なお、個人的な理由であるにも関わらず「転勤」と偽って退去を申請するようなことは避けましょう。

誠実な対応を心がけることで、オーナーとの信頼関係を保ち、それが今後あなたの同僚や会社にも良い印象を残すことができます。